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華アワセ 總-アヲイロノキヌ- 感想

華アワセ 總-アヲイロノキヌ-華アワセ 總-アヲイロノキヌ-
(2014/05/20)
月花

商品詳細を見る

ゲーム『華アワセ-蛟編-』の初のストーリー集。
まず、前提として、本書は『水妹』『泉姫』などゲーム本編をやっておかないと何のことか分からない単語が当たり前のように出てきます。ネタバレもあり。なので、最低でもゲーム本編をクリアした後に読むことをお勧めします。あ、それから華闘ランキングの蛟敗北イベントの後日談にあたる話も収録されているので、余裕があればそっちも見た方がいいかも。
余談ですが、總は“ソウ”と読むそうです。見慣れない漢字だったのでちょっと調べてみたところ。どうやら“総”の旧字で、青色という意味があるんだとか。なるほど、だから“アオイロ”ノキヌなんですね。こういう言葉遊びは個人的に好き。

内容は大まかに『總』『月の欠片』『掌』の3つに分けられます。それぞれ、總…蛟ハッピーエンド後の話、月の欠片…蛟以外の各キャラルートエンド後の話、掌…雑誌で掲載されたSS。
メインは『總』です。全体の4分の3くらい占めてます。ぶっちゃけ、ほかはオマケ。でも一番印象に残っているのは『月の欠片』のいろはエピソードだったりする。まあ詳しくは後述にて。

中身以外のところだと、表紙がフルカラーじゃないのはまあいいんですが、部分的に多色カラー(?)を使ってあるのがちょっと気になりました。別に悪くないんだけど、遠目から見ればほぼ白黒なのに何で中途半端な事をしたんだろうねという意味で。あとこれPP加工されてないですよね? 紙質は画用紙のそれに近く、ちょっとでも水がつくと滲みそう。怖くて試せていませんが。
そんな感じで本の作りは安っぽかった。読むにしろ保存するにしろ扱う時は細心の注意が必要です。でも、その分ボリュームがあり、そうですね、私の場合読み終えるのに5~6時間かかりました。といっても“總”以外は一遍一遍が短いので、空いた時間にサクッと読めるのはよかった。クオリティは、……うーん、話が微妙なのもいくつかあったけど概ね満足。これでこのお値段なら華アワセファンなら買って損はないかと思います。

・總
実はコレが一番微妙でした……。みこと視点と蛟視点があるんですが、大まかな流れは大体同じなのでここでは一緒に紹介させてもらいます。

で、ストーリーを無理やり一言にまとめてしまうと、エッチする・しない。……うん、華アワセらしいっちゃらしいけど、270Pも使って表現したかった事がこれってあんまりじゃないですかねえ。たとえば、ゲーム本編で蛟が語ったように、ミズチ一族復興の話とか、話の題材ならいくらでもあったと思うんですよ。それを今回、帝の意に反してみことと強引に事を為そうとしたことで、結局あの時の決意ってその程度のものだったの? とゲーム本編の蛟に泥を塗ったような形になったのは大変残念です。ライター同じ人ですよね? もう少しゲーム本編の蛟のイメージを大切にして欲しかったです。

とはいえ、宮廷の入内を聞かされる~龍神と華アワセまでの流れは決して悪くなかったです。宮廷という未知の世界に対するワクワク感もあって途中までは楽しく読み進められました。特に、宮廷のしきたりについて具体的な描写があったのはグッジョブでしたね。宮廷のドロドロした得体の知れなさみたいなものがリアルに感じ取れて、みことが宮廷に抱いている不安や恐れといったものが共感しやすかったです。最後は「龍神」といかにも強そうな敵と戦って勝利する燃え(・・)もあって盛り上がりました。
それだけに本書最大の失敗といえる焦点の当て方を間違えたのは本当に惜しいですね。何度も言うようですが、なんでエロなんだよー! 本編であんだけやったじゃん! いい加減もっと別の切り口から話を書いてみてもいいんじゃないかと私は思うのですよ。

あ、そういえば本書での總とは代々ミズチ一族当主の妻に受け継がれている布(アオイロノキヌ)を指しているようです。これ、竹取物語になぞらあえてあったり、亡くなった蛟のお母さんが持っていたりと布にまつわる話は面白かったのですが、残念ながら本筋にはほとんど絡んでこなかったですね。題名にもなっているんだからどうせなら總の所有者の力をパワーアップさせる効果があって、それが龍神との戦いで切り札となったとか、何かしら意味を持たせた方が總の存在をもっとアピールできたんじゃないしょうか。今のままじゃ、ただのファッションアイテムですからねえ(苦笑)

・月の欠片
いろはエピソード『咎』
役割的にはゲーム本編の前日譚といったところでしょうか。書き下ろしの中では唯一ほのぼのとしています。クレープの感想を聞かれて「甘い」って(笑)。あと『總』で汚れ役を一人引き受けたご褒美なのか、シナリオは優遇されていたと思います。たとえこの邂逅がすぐにみことの記憶から忘れられるものであっても、ほんのちょびっとでも幸せのニュアンスが感じられるあたり特に。ほか2篇はその点容赦なかったですからねー……。
しかし相変わらずいろはは意味深な事を言いますね。これはまだループ前でしょうか? 「まだ間に合う。引き返せる」と言っちゃってますし。とすると、ここが華アワセの本当の意味での第一歩って事になるんでしょうか。なんだか感慨深いものがありますね。
ちなみにタイトルの『咎』ですが、ストーリーとの因果関係は今のところ見当たりません。月下さんのことだから何かしら意図があって付けているとは思うんですが、脳みそアメーバの私にはサッパリです。具体的にどのシーンが『咎』になるんでしょう? (追記)どうもレビューサイトを見ると、泉姫と恋してた男というのがいろはの事で、そこで何かやらかしたから咎が出来たんじゃないかという説が有力のようです。よーするに、いろはが『咎人』だからタイトルが『咎』ってわけですか。なんだ、ややこしい。

唐紅エピソード『暈』
唐紅は出てきません。
九頭龍はもともと好きなキャラでもなかったけど、これ読んで嫌いになりました。

姫空木エピソード『雛』
今さらいい人みたいに書かれても……。
結局、姫空木はどの時点で正気に戻っていたんでしょう? どうも話を読む限りだとある日突然心を入れ替えましたーって感じで、はあ? ってなりました。寝耳に水とはまさにこの事。展開が唐突すぎてついていけません。せめて、話し掛けても答えが返ってこないことに姫空木が葛藤するとか、こんな生活を続けていくことに虚しさを覚え始めるとかそういう描写を入れてくれればまだ話は違ったんですが。

・掌
全11篇。その中から私が気に入った話を適当にピックアップしています。

『戯』
ウォルター&いろはのやり取りが面白い。
ウォルター「ゲス? ゲスって? ホワーイ?」
いろは「貴様のことだ」
ウォルター「ソーデシタカ! ワタシ、ゲスデース!」
ああ、ウォルターのドヤ顔が目に浮かぶようです。シリーズの中で一番笑いました。

『恋』
葵の話。
姫編の葵って別にテコ入れされたんじゃなくて、もともとこういうキャラだったという事ですか。なるほどー。それにしても葵は斧定が絡むと普段の猫かぶりが取れてとたんに可愛くなりますね。挿絵も美しい。

この他スペシャルSSが2本と挿絵付きの各キャラモノローグがあります。このへんはオマケのオマケって感じですかね。内容は非常に甘いです。各キャラの糖分補給はここでどうぞ。
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19℃ 感想



こちらは「19may」さん制作の同人乙女ゲームです。とあるレビューサイトで紹介されていて、そこで高い評価を受けていたのに加え、絵が非常に好みだったのでDLさせてもらいました。

絵に釣られただけあってスチル・立ち絵ともに非常に綺麗。デッサン狂いもほとんど見られず、女の子は可愛く(といっても主人公しか出て来ませんが)、男の子はかっこよく描けてありました。特筆すべきは立ち絵パターンの豊富さ。商業では作中1度しか使われなかった立ち絵はレア立ち絵と呼ばれるそうですが、本作にはそんなレア立ち絵そこかしこに見られます。というか、通常立ち絵を目にする機会の方が少ないかもしれません。単に傘を持って歩くというシーンだけでも、レア立ち絵が3パターンあるという贅沢ぶり。表情差分も含めるともっと多い。普通なら文章で済ますところをわざわざ絵に描き起こすんだから、すごいサービス精神というか、納期がないに等しい同人だから出来る荒業というか……。個人的に椿が主人公に「アメ、いるか?」って差し出すポーズがお気に入り。実際同じポーズを取ろうとすると不自然きわまりないのですが、この人がやると無駄にかっこよく見えます。

ちなみにこのゲーム、メッセージ窓がありません。文章は画面全体に表示されます。有名どころだとfateとかひぐらしタイプですね。ああいった文章量がクソ多いノベルゲーには相性抜群なんですが(クリック回数減らせるから)、19℃のような6~7時間あればフルコンできるゲームに使う利便性はあまりないんじゃないかと最初こそ疑問に思いましたが、……ははあ、そういうことですか。たしかに本作に限って言えばこの表示形式は正解なのかもしれません。というのも、前述した立ち絵には「手」に小道具を持たせるポージングが多かったりします。先ほどの傘にしても、アメにしても。で、メッセージ窓があった場合、手元が見切れてせっかっくのギミックが台無しになってしまうんですね。もったいない。現在の技術ならメッセージ窓の透過性を調整することはもちろん可能でしょうが、絵をフルに活かすならやはりこっちでしょう。

背景は公式HPのブログによると、写真を元に描き起こしたもののようです。作者は写真を提供してくれた人たちのおかげと謙遜されていますが、要はこの手の同人ゲームには珍しい手描きです。
同人の背景というと、撮ってきた写真をそれっぽく加工して使ったり、素材サイトから拝借したものをそのままっていうのをよく見かけますが、そういうのってキャラ絵とタッチが違うからどうしても違和感が出るんですよね。今回のことで背景とキャラ絵の方向性の合致って大事なんだなと改めて実感しました。あと、スチル背景も細かく描き込まれていて素晴らしい。ここまでレベルが高いものを見るのは、同人乙女ゲームではTetraScopeさんのわたじゅう以来です。商業と比べてもまったく見劣りしません。というか、商業はユーザーからお金取っている分もっと頑張るべきです。

音楽はエンドロールを見るかぎりフリー素材を使用しているようですね。しかし特に違和感なく聞けました。
BGMが流れない、いわゆる無音の場面が多かったです。でもそれが悪いということはなくて、むしろ落ち着いた雰囲気がこのゲームにすごく馴染んでいてよかったと思います。ただ、タイトル画面まで無音なのは……。最初、ヘッドホンが壊れたのかと不安になりました。

始まってすぐ個別√に分岐する選択肢が出てくるので攻略はさほど難しくないと思います。というか、この選択肢がまたイージーというか。公式HPの登場人物紹介を見ておけば確実に狙ったキャラの√に入れるので詰まりようがないです。もうちょっと捻ってくれてもよかったかな。ただ、隠しだけは攻略制限がキツ目に設定されてあるので人によっては大変と思うかもしれません。具体的に言うと、攻略対象を全員クリアした後(セーブ画面に傘・アメ・葉っぱの絵が付いた後)、かつノーマルEND(ED1ではない)を見た後に開放されるようです。あとは選択肢も少ないので総当りしていけばおのずとEDリストは埋まると思います。

・夏木
すごく笑顔が似合う人です。しぐさや表情の一つ一つに小動物のような可愛らしさがあって、彼がいかに愛嬌のあるキャラなのかがよく伝わってきました。首をかしげて「何?」と聞くしぐさなんて狙ってるとしか思えないのに、この人がやるとたぶんそうじゃないんだろうなぁと思えてくるんだから何かズルい(笑)
あと、彼のしぐさは擬音語で表現される事がしばしばありまして、それが『ぱたぱた』『ひょこひょこ』となんか妙に可愛くっておかしかったです。夏木のキャラをいっそう引き立てる、いい効果になっているんではないでしょうか。
シナリオの半分近くは過去の回想シーンというこれまた珍しい構成。しかしゲーム開始時点で二人はすでに顔見知りなうえ、お互い憎からず思っているので、どんな経緯で相手に惹かれていったのかきちんと描写があったのはよかったと思います。これがあるのとないのとでは後の夏木の告白シーンの印象がガラリと変わっていたことでしょう。
EDは夏木が告白できずにフェードアウトするED1はともかく、ED2もある意味バッドEDのような……。後述しますが、幸せいっぱいの花火大会の裏で起こっていた事を思うとしょっぱい気持ちになります……。

・真弓
真弓がどうして主人公にそっけない態度を取るのか、男の子がするには不似合いな髪ピンなど、随所に伏線が散りばめられていて最後までだれる事なく読めました。
真相が明らかになるのはED直前ですが勘のいい人は真弓が案内なしで主人公の家の近くまで送り届けたあたりで気付くはず。私はニブいので最後まで気付きませんでしたが。というか、髪ピンなんてキャラデザの一環かと思っていましたよ。ちゃんと意味があったのですねえ。
告白シーンは普段の真弓からは考えられないくらい情熱的なものでドキドキしました。スチルもいいですね。真弓の表情がやたらと色っぽいです。いつもの仏頂面とのギャップ差も手伝って、この表情の妙に陥落した人も多いのでは。そいうえば、ED1では大学生になった真弓が見られるのですが、不思議と高校生の時の方が色気あったように思います。好きだった人に再会したのに気付いてもらえない、というか異性として見られていない、そんな悩ましい状況にあったからでしょうか?

・椿
まさか主人公の気持ちにこれっぽちも気付いていなかったとは。あれだけあからさまに主人公が好意を伝えていたというのに、全部冗談だとでも思っていたのでしょうか? そんな馬鹿な。……とも思うのですが、一度結婚に失敗して慎重になっていると考えれば、まあ辻褄は合わなくもないか。いやそれでもかなり苦しいですが。
主人公を異性として意識し始めたのは、おそらく主人公から告白された直後でしょう。それまでアメとかドーナツとかお菓子をあげていたのに、告白以降ぱったり止んだという描写があるので間違いないと思います。お菓子をあげる=子供扱いしていたというわけですね。38歳でお菓子好きという、いかにもキャラ立ちのために作ったと言わんばかりの設定が実はストーリーの中で重要なギミックになっていた、というのはなかなか面白かったです。

以下、隠しなので畳みます。

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華アワセ-姫空木編- 総評

・シナリオ
私の好みを差し引いても、√によってシナリオの出来にバラつきが見られました。あえて順位を付けるなら、唐紅>いろは>姫空木=蛟。
姫空木に関しては、最後までヘタレという印象が抜けませんでした。どの程度へタレか具体的に書き出してみますと、しっかりしなきゃいけない場面でへっぴり腰になる、立ち直ったと思ったらイヤな事を言われてまたすぐ落ち込む、最終決戦じゃまったく役に立たないどころか足を引っ張る。などなど。前の記事にも書きましたが、みことはこんな男のどこに惚れたのでしょうか? 別にヘタレでも構いませんが、それならそれで、ヘタレだけど実はかっこいい部分もあるってところをきちんと見せてほしかったです。これじゃあ姫空木がただメンタル弱い人ですよ。
全体的に、姫空木に対するアプローチの仕方を間違えていたのかなぁと思います。みことはただ彼を支えるんじゃなくて、尻を叩いて自力で立ち上がらせるくらいの肝っ玉っぷりを発揮してほしかったですね。というか、姫空木の今後の為にもそうすべきだったと思います。今のままじゃみことに依存しきって、唐紅END1の二の舞になってしまいますよ。みことが死んだら自分も後を追うという。支えるという事は、突き詰めていけば甘やかしている事と同じ意味だと思います。時には突き放す事も愛情なのではないでしょうか。姫空木がみことなしでも自立できるまでの話を、ドラマCDでも副読本でもいいので補完してほしいと思います。

・グラフィック
シナリオだとドレスなのにスチルだと制服着ていたとか、女の子が可愛く描けていないとか、細かい不満はありますが概ね満足しました。スチル枚数は前作と同じくらい。全て新たに描き起こされています。立ち絵はさすがに使いまわしですが、衣装差分が増えたのは良かった。ほとんどの主要キャラに最低1種類は用意されており、よりキャラの魅力を引き立ててくれます。あと背景もいくつか追加されていました。ジン・ジャーTV局の背景画。よくよく見ると最上階にマツリカ(オブジェ)が描かれてあります。こういう芸の細かさはいいですね。

・システム
コンフィグ画面は前作同様充実しています。というか、既読スキップとクイックセーブ&ロードさえ出来れば私に文句はありません。各種回想機能も完備。あ、キャラソンがおまけから消えているので、そこだけ注意が必要です。
花札ゲームは相変わらず面白いんだけど、新たにアクションゲージを設けたことによってテンポが悪くなってます。特にお互いのスピードLvが拮抗していると、ゲージが溜まるまでに3~4秒かかるのでイライラする事も(たかが3~4秒と思われるでしょうが、実際やってみると長く感じられます)。ランク上げのためにも繰り返し作業する必要があるので、次回はもっとスピーディーにお願いしたいところ。
良かった点としては、ステータスにキャラの特色を取り入れたのは面白かったですね。蛟なら堅いけどトロい、姫空木なら素早いけど打たれ弱い、といった具合に。中にはこれどう考えてもネタだろ! と突っ込みたくなるものも含めて、制作チームが楽しんで作っていたのが窺えます。
ちなみに、いろはを倒すとランキングにカラクリくんが登場します。限界突破+固有技で倒せますので、どうしても勝てない人は試してみてはどうでしょう。

・音楽
新規曲はキャラソン含めて12曲。値段を考えるとすごく頑張っていると思います。戦闘BGM以外はあまり耳に残るものはなかったですが、曲の方向性というのは前作とそう変わっていないようで、ストーリーの中に違和感なく溶け込んでいました。
以下、新規曲の中からこれはと思うものを紹介。
『赦し』
OP曲。そして姫空木√の対・花神戦で使われる戦闘曲でもあります。場を盛り上げるのに一役以上買っていますが、この時の姫空木の心情を考えると曲がちょっとカッコつけすぎのような気も。いろは√終盤でも流れますが、こちらは「赦してほしい」ではなく「赦しを請え」みたいな意味が込められてるんでしょうかね。
『花神のテーマ』
タイトルのまんまです。出だしは陽気な彼女のイメージにハマっているんですが、中盤あたりから何故か不穏で物物しい曲調に……。最後までプレイすると納得。
『月朧』
姫空木編主題歌。なんですがVocalなしです。これどこで使われたかまったく記憶にないんですが、本編で流れてましたっけ?
『黒き水』
各√ラスボス戦に使用される戦闘曲。(唐紅√だけちょっと特殊ですが)。イントロ部分に非常にインパクトがあって、思わず聞き入ってしまいます。イメージ的には、かの有名なクラシック曲・カルメン(前奏曲)から華やかさを抜かした感じ(失礼)。

総評も書こうと思ったけど個別感想の方で書きたい事は大体書けたので、総評に変わりこの言葉で締めさせていただきたいと思います。
「いくらなんでも1年は待たせすぎですよ」

華アワセ-姫空木編- 蛟

『華アワセ』の本来の持ち味とは、丁寧な恋愛描写と何気ない会話シーンに巧妙にはられた伏線にあると思います。特に後者は次の○○○編もやりたい(他の√もやりたい)! と思わせるパワーがあります。が、これはどっちも方向性が大きくハズレてましたね。

まず恋愛描写についてですが、今回、出会いから相手を意識しだすまでの過程はそこそこ丁寧でよかったのに、そっから好きになるまでのプロセスを一段すっ飛ばし、ある日突然、「私あの人が好きだったんだ……!」と自覚する、雑な展開が目立ちました。特に気になったのが、みことが姫空木に告白するシーン。当たり前ですが、みことが姫空木を好きという前提なくしてこのシーンはあり得ません。しかし、共通√の二人の恋愛描写といえば、各所レビューで散々言われているように、薄いです。なぜ彼を好きになったのか? どこに惹かれたのか? (この時点では)理由がまったく見えてきません。そもそも、姫空木が目立った活躍というのが、いろはに挑戦状を叩きつけるぐらいなもので、どちらかというと、彼の心に内在している『お姫様』の部分ばかりがクローズアップされていました。ライターさん的には、姫空木の飄々とした態度の裏に弱く脆い部分があることを表現したかったのかもしれませんが、はっきり言って描写不足です。これでは彼が、ウジウジ悩むだけの情けない男、とプレイヤーの目に映っても仕方ないと思います。で、そんなマダオみたいな奴を好きになるのに、姫空木さんが助けを求めているように見えたから、守ってあげたいと思ったから、というみことの母性だけでは到底納得できないですよ。だって、みことに助けを求めてるというなら、いろはのがよっぽどじゃないですかー!! そんな状態で告白されてもですね、「?」の文字が私の頭の中でコサックダンスするだけです。姫空木じゃないといけないっていう絶対的な理由をもっと明確に提示してほしかったです。

蛟にしても、一応恋愛イベントをたくさん入れてそれっぽく体裁を取り繕ってありますが、むしろそれが好きになった描写もないのに何でいきなりそんな事になってるの? と違和感を浮き彫りにしています。背中prpr穢れ浄化イベントとかですね。あれ、本当に唐突だったのでびっくりしました。ちなみに、蛟編でも似たようなイベントがあって、当時なんて書いたんだっけ? と読み返してみたところ、なんか私キチガイのようでした。あれはないわー。自分でもドン引きします。今作品ではまともな精神状態で感想を書いていると願いたいものです。

もう一つ気になったのが、蛟に関する伏線の貼り方。今作は前作の蛟編と話が密接に関わっているものの、単独でも楽しめるというのがウリみたいですから、蛟が抱えている事情をある程度ボカすのは仕方がないにしても、些か不親切すぎるような気がします。『ミズチの呪われた血』という単語すら出てこないし、蛟の制服のポケットにあった『クスリ』についても触れられずじまいで、あれじゃあ華アワセが全年齢対象のゲームとはいっても、蛟ってドラッグやってるの? と勘違いする人も出てくるのでは?(私なら勘違いした)、と、いらん心配ばかりしていました。蛟編やってれば分かるからいいでしょ、みたいな手抜きとも取れる部分があったのは残念です。姫空木編が初めてというプレイヤーさんもいるんですから、もっと気を遣ってほしかったですね。
あと、全体的に伏線が少ないような(私が拾えなかっただけかもしれませんが)。なんか、どこにでもある普通の乙女ゲーをやっているみたいな感覚でした。他√はそうでもなかったんですが。そこのところを期待してやると、ちょっと肩すかし、かな?

とまあ、このブログでは散々な言われようですが、よそのレビューを拝見するとわりと高い評価を受けているようです。自説に自信があったのでハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けましたが、一方で納得もしました。いやぁ、みなさんすごいですね。視野の広さにただただ頭が下がるばかりです、はい。
要は、キャラの見せ方に着目すると非常によく出来ていた、という事です。たとえば、蛟がみことのパートナーなった後、彼女を戦いの場に連れて行くのをよしとせず、一人で花伐に行くというシーンがあります。義理堅い蛟であれば姫空木に遠慮するのは当然の流れと言えますし、女性と極力関わらないようにするという蛟の潔癖症が的確に表現された1シーンです。今振り返ってみると、蛟のキャラに配慮された、すごくいいシナリオだったんですね。ここですぐみこととイチャイチャしようもんなら、お前ってそんな薄情な奴だったのかと幻滅したかもしれません。
また、蛟編ではヒステリックな部分しか目立たなかった葵。本作ではそんな不遇の扱いだった彼女のキャラが堀り下げられています。百歳さんとはまた違ったベクトルのお姉様キャラ、といった感じでしょうか。姫空木に奪われた水を自力で取り戻してみことに語りかけるシーンは、シリーズの中でも屈指の燃えシーンと言えるでしょう。マジ葵△! で、かっこいいところがあるかと思えば、斧定先生に頼まれたつまみを文句言いつつもなんだかんだで買ってきてあげる、なんて、かわいいところもあるんですよ。蛟の事さえなければ、すごくいい人です。アオイロノキヌをあわせて読むと、葵がどういう思いで水妹をやっているかも分かって、蛟編の彼女の印象もがらりと変わることでしょう。全体的にキャラの扱いは細心の注意が払ってありました。その点は評価したいです。ただし、みことは除いて。
実は、みことのキャラ付けというのが全編通して一番引っかかった部分でした。具体的に言うと、姫空木にフラれた後の、「戻ったら困らせてしまうから、蛟さんのパートナーでいさせてください」という台詞。蛟や葵の気持ちを無視して、自分の都合だけを押しつける、すごく自分勝手な人間に見えます。人から『いい人』と思われたいという設定はどこに? シリーズごとに主人公の性格にテコ入れが入ると言ってもですね、これでは蛟編の主人公とは別人ですよ。受け手にこう思われている時点でみことのキャラ付けは失敗じゃないでしょうか。だいたい、『いい人』と思われたい設定は今作品でも適用されているのですから、矛盾が生じますよ、ねえ。にしても、恋煩悩ていうんですかね、ああいう自分本位で周りが見えなくなるの。アオイロノキヌでもこの兆候は見られたので、次回からは修正してほしいと思います。

END1
二人のキューピッド役になろうとしたけど、無理でしたという話。最初、姫空木は純粋に二人のことを応援していると半ば本気で思っておりましたが、今にして思えば、どうしてそんなふうに思えたのか、過去の自分を殴ってやりたいです。
蛟とみことの仲を邪魔する人が次々と行方不明になっていくという流れは、脳みそアメーバの私でも、ああ、あいつの仕業だなとピーーンとくるものがありました。しかし、それがつまらなく映ったという事はなく、やっぱり姫空木はこうでなくちゃと改めて実感。犯人探しの協力を申し出る場面では(いけしゃあしゃあと)、狂気を孕んだ声を隠そうともしないので、ゾクッとしました。
このEDでは蛟と決闘の末、死ぬことになりますが……。姫空木の最期の台詞。「親友だからさ」。あれね、ちょっとクサすぎ。弁当エピソードで二人が親友なのはもはや疑いようもないですが、あれでは安っぽいドラマの1シーンになっていますよ。もうちょっとマシな演出もあったでしょう。だいたい姫空木の方は約束を律儀に守るキャラでもなし、「誰が教えるか、バーカ」くらいの方がみことを取られた悔しさも相まって姫空木のキャラに合っていたのでは。

END2
これを見た後にブックレット最後のページを見ると、苦虫を潰したような顔になります。なんでよりによってこの衣装を採用したのか。幸せいっぱいの二人を見て、この絵は結婚式で使われるのかな? とか色々妄想を膨らませていたあの頃の私のピュアな心を返せー!!(一応あるんですよ)。これが最後に見たEDだったから余計そう思います。
某所では葡萄ENDと呼ばれているそうですが、これがまーなんというか、ドン引きでしたね。唐紅√で死んだ唐紅の前でヤろうとしたのも大概と思いましたが、生きている蛟の前でっていうのは、ちょっと可哀相ですよ。副読本などでその後の話が書かれるとしたら、やはりEND1のその後ってことになるんでしょうか。

華アワセ-姫空木編- いろは

鬼札はどうして誰も選ばなかったのか、その種明かしをここに持ってきたのは意外でした。でも、カラクリ命の特性を考えると、まあ納得かな。
カラクリ命とは運命を変えることができるアイテムで、たとえば死んだ人を生き返らせる事もできて一見万能に思えるんですが、欠点が二つあります。一つは、回数制限がある事。もう一つは、運命を変える代償として、使った人間と人間を繋ぐ大事な記憶が無くなるという事。要はあなたが誰かを生き返らせようとしたら、その誰かさんはあなたに関する記憶を全部あるいは一部が無くなりますよー、て事です。
以上のことから、カラクリ命はそうホイホイと使えるものではないと言えるでしょう。でもみんなホイホイ使うんですよ、これが。

みことの場合、姫空木を生き返らせた代償として『みことを好きになった記憶』が無くなっています。でもそれ以外は普段と変わった様子はない。外見も、穏やかな物腰も。また会えたのだからみことはもっと喜んでもいいはずなのに、どこか浮かない。まあ当然ですね。みことにとっての姫空木は、みことを好きになった記憶=二人が共有した時間の中にあるのですから。
ここでみことが取れる選択肢は二つです。今いる運命を受け入れるか、本来の運命に戻るか。受け入れれば、姫空木であって姫空木でない人の傍にいる。かといって、戻れば姫空木は死んでいる。どっちを選んでもみことには酷な運命しか待ってない。絶望的なこの二択は、しかし、みことにとっていろはの存在がどれだけ大きいものかをプレイヤーに示す、一つのバロメーターにもなっています。つまりみことは、『いろはのいない運命』からいろはを取り戻すために、本来の運命に戻る決心をするんですね。いろはさんがみんなから忘れられて悲しいから、自分はいろはさんのパートナーなんですからと。ここで蛟編をプレイしていると、みことの行動がいろはにとっていかに嬉しいものであったか、より理解を深められていいんじゃないかと思います。
あと、蛟編がいろは→みことだったのに対し、姫空木編はいろは→←みことになっているのも興味深いですね。まぁ、いろはと違ってみことの好きはリスペクトする意味での好きなんですが。運命の掛け違いでここまで仲良くなれるなら、いろはと結ばれる運命もあると期待してもいいんですよね? ね?

不満というほどではないですが、EDスチルのデッサン狂いが気になりました。顔・ポージングもろもろ変。二人の身長差を考えると、あれっ? てなります。ここは、いろはの笑顔で物語を締めくくる印象的なシーンなんだから、もっとさあ……(あ、やっぱこれ不満だわ)。たしか蛟編では泣き顔でしたっけ? この対比は面白いですね。今回、いろはが幸せそうって感想が出てくるのも、このへんが理由になってるんじゃないでしょうか。

そしてこれはもう完全に不満なんですが、カラクリくんはみことの名前を勝手に使って願いを叶えています。確かにカラクリ命の発動条件に本人以外の人の名前を使っちゃいけない、なんて言われなかったけどさあ……これはないんじゃない? たとえばこの抜け道を利用して、みことが花神の名前を使って姫空木を生き返らせる。ついでに姫空木の名前を使ってマツリカを月光の子たちを生き返らせる。これで姫空木√でも無理だった大団円の完成です。こんな事されたらシナリオが根っこから崩壊ですよ。なにより白ける。おそらくこれはシナリオ展開上やむなくの後付け設定なんでしょうが、こんなズルがまかり通るくらいならカラクリ命の設定はいらなかったとさえ思います。
ふと思ったんですが、カラクリくんはみことにカラクリ命を渡して、あとは彼女が使うのを待つだけでよかったのでは。遊園地の時みたいに。なんで、あえて無茶な設定を作ってまでしてカラクリくんにみことの名前を使わせたのか、必然性が見えてきませんね。うーん、このへんは私の読み込みが足りなかったのかもしれません。ちょっともう1周してきます。

で、もう1週してきた結果、やっぱり分かりませんでした。強いて言うなら、みことにカラクリ命を渡したことが五光に知れて、自分が五斗側の人間だとバレるのが嫌だったから? でもその前に講堂でカラクリ命を持っているところをいろはに見つかっていたような……。あー、やっぱ分からん。

周回したついでにカラクリ命が使われた経緯を時系列順にまとめてみました。未プレイの人はスルーして下さい。
※完全に自己満足です。間違っている部分があったらこっそり教えてくれると嬉しいです。


()内はカラクリ命の所有者・残使用回数。カラクリくんは複数個持ってるので後ろに番号振ってます。

・姫空木を五斗の仲間にする(カラクリくん①)
使用者:カラクリくん 代償:おそらくカラクリくんに関する記憶全部
・みことを華園に連れていく(理事長:2→1)
使用者:いろは
・幼なじみの記憶改ざん(理事長:1→0)
使用者:いろは
・阿波花を生き返らせる(カラクリくん②:3→2)
使用者:金時花 代償:阿波花に課せられた重要な任務の記憶
・姫空木を生き返らせる(カラクリくん②:2→1)
使用者:カラクリくん(ただし、みことの名前を使う) 代償:みことに関する記憶の一部
・再び、姫空木を生き返らせる(カラクリくん②:不発)
使用者:みこと
・学園のみんなを助ける(いろは:1→0)
使用者:いろは 代償:みんなから忘れられる
☆いろはがカラクリくんから取り上げる(カラクリくん②→いろは)
・唐紅を消す(カラクリくん③:3→2)
使用者:カラクリくん
☆阿波花がみことにあげる(カラクリくん③→みこと)
・遊園地の日まで運命を巻き戻す(みこと:2→1)
使用者:みこと
・学園のみんなを助ける(みこと:1→0)
使用者:いろは 代償:みんなから忘れられる


(補足)ループ後に「あと1回は君を守れるように残しておこう」的なことを言っていたので、カラクリくん②はそのままいろはが持っているんだと思います。あと、鬼札が姫空木を選ばなかったのは、みことに会う前にカラクリくんによって運命を変えられたから。そんで、姫空木√のTV局の控え室で鬼札が光ったのはそれを打ち破ったから、と考えると辻褄が合ってくると思います。
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